JA津安芸

農業の守り人

地域農業を守る力に

一般社団法人 さくらファーム林

津市芸濃町

津市芸濃町林地区で水稲を約13ヘクタール栽培する一般社団法人「さくらファーム林」。支え合いながら持続可能な農業の実現をめざしている、代表理事の前川稔さん、副代表理事の林利明さん、竹尾泰さん、事務局長の林克昌さんにお話を伺いました。

一人じゃできないことも、力を合わせて

林地区は、かつて地域の8割ほどの方が農業に関わっていましたが、高齢化や山間地ならではの獣害の影響で、年々耕作できない農地が増えてきました。「個人ではもう限界かも」と地域のみなさんで話し合いを重ね、令和3年に「さくらファーム林営農組合」が発足。翌年には、一般社団法人「さくらファーム林」として新たな一歩を踏み出しました。現在は14人のメンバーが水稲栽培を担っています。

工夫とアイデアが光る場所

設立当初は限られた資金の中、農家さんが手放した機械を譲ってもらい、自分たちで修理しながら使っていました。昔ながらの知恵と新しい技術、その両方を活かせるのがこの仲間の強みです。事務所も、もともとは古い倉庫。天井や壁を自分たちの手で張り替えて、使いやすいように整えました。 苗づくりでは、スマホからリモート操作で育苗ハウス内に灌水できるシステムを自作し、育てた苗は「元気で育ちがいい」と評判で、毎年約2,000箱以上を育てても、ほとんど枯れが出ないのが自慢です。

支え合って、未来の農業へ

メンバーはそれぞれ自分の田んぼを耕しながら、自身の予定を前倒しして、みんなで一斉に受託作業に取りかかれるよう工夫しています。 また、荒れていた農地の再生や、農道や水路の管理をしたりと、地域の環境を守る取り組みに力をいれています。年齢や立場を超えて、助け合いながら次の世代へ農業をつないでいくことが、私たちの大きな役目です。若い人たちが農業に挑戦しやすい環境を整えていきたいです。