森 隼人さん
津市安濃町
津市安濃町の森隼人さんは、「合同会社みえの森苺園」を家族で経営しています。ハウス13アールでイチゴ「かおり野」「よつぼし」を栽培し、オリジナル品種「いちあま」にも力を入れている隼人さんにお話を伺いました。
大学を卒業して地元企業に就職しましたが、平成29年に就農しました。私の父は三重県農業研究所でイチゴの研究をしていたので、父に栽培技術を学びながら、今年で就農8年目となります。
就農当初は順調でしたが、3年目に病害虫の被害が発生し、収量が約6割まで減少。かなり苦労しました。そこで、販売手数料のコストなど経営の見直しを図るために農園に直売所を開設し、付加価値の高いイチゴ作りへとシフトしました。
父と一緒に品種開発にも挑戦しました。品種開発には4〜5年かかり、花粉を採取しながら何百通りもの交配を試しました。食味が良く、収量の多い品種を探し続けた結果、「いちあま」が誕生しました。「いちあま」は、先端が長細く、国内のイチゴの中でも特に糖度が高いのが特徴です。果実は濃い紅色でしっかりとした固さがあり、ほどよい酸味と優しい香りを持っています。令和5年12月に品種登録を出願、ここで育てたイチゴが日本の品種として認められ、市場拡大につながることが今の目標です。
春になると、地元の養護施設にかごいっぱいのイチゴを届けています。子どもたちの喜ぶ顔やお客さんの声が励みになり、自分が作ったイチゴをもっとたくさんの人に届けていきたいです。