JA津安芸

農業の守り人

農業と人を結ぶキーパーソン

辻 武史さん

津市大里陸合町

ドローンで圃場を空撮しているのは、つじ農園の園長、辻 武史さん。今までにない方法で農業に人を呼び込み、関心を集めています。約16年勤めた愛知県の精密機械製作会社をやめ、兼業農家の実家を継ぎ、2016年から専業で米作りを始めました。今回辻さんの農業と人を結ぶ真髄に迫ります。


画像は白黒で近赤外光を多く反射する部分が濃い白色となる。これと通常のカメラ画像とを併せて画像処理ソフトで解析する。

農業をすることになったきっかけは?

たまたま千年村プロジェクトというホームページを見ていたら、驚いたことに実家のある津市大里睦合町が“田井郷”とあり千年村に選ばれているのを見つけました。千年村を研究する大学の先生にコンタクトを取り、この土地に長年住む地域の方と資料を照らし合わせながら話をしたことがきっかけとなり、歴史のある場所で農業ができることに喜びを感じ、兼業で中途半端にやるぐらいなら専業で思い切ってやろうと決心したのがきっかけです。集落を再評価し、3年くらいで何とかする!と誓い、会社で学んだ生産・品質管理・販路開拓のノウハウを地域に還元したいと考えました。

なぜドローンを上げているのですか?

植物の生育によって近赤外光の反射量が変わる性質を利用し、近赤外光カメラを取り付けたドローン(小型無人機)で圃場を2週間に1回ほど定点的に撮影して記録しています。画像を解析し、年間を通して水稲の生育の変化を見るのですぐに結果は出ませんが、数値化することにより、有識者に相談を持ちかけたり、自分で分析できます。他には、一般に使用できる3Dプリンターを使ってスタンプをつくり米袋を安価で自作しています。現代の技術を活用することでこれまで勘に頼っていた部分を数値で管理できたりコストを下げることができるので、新しいものに貪欲に挑戦しています。

なぜ人が集まるのですか?

「何それ!」と相手が想像できないものをやるのが楽しいです。知らず知らずのうちに人が集まってくれます。次は女子向けにエディブルフラワーの栽培をしようかなと思っています。

今後の抱負

農業は今ちょうど変わり目です。街場の人で農業に興味があっても何をしたらいいかわからない人は多いです。そんな人に将来プランBみたいな感じでできる農業を提案したいと考えています。新しいもの取り入れて、辛いと言われている農業が、1集落(10ha)を女性や子どもでも回せるくらい収益性高かったら面白くないですか?こんなおもしろい遊び(=農業)はないと感じています。一生楽しい遊びをして暮らしたいです。 お米と自然が大好きな方、つじ農園へお立ち寄りください!