JA津安芸

農業の守り人

一年一年が土づくりの勉強

喜多 義幸さん

津市河芸町

津市河芸町の喜多義幸さんは「コシヒカリ」「ほしじるし」などの主食用米と「あきだわら」「どんとこい」の飼料用米を約30ヘクタールの圃場で栽培されています。米づくり58年となる米職人の喜多さんにお話を伺いました。


多収につなげる様々な工夫がされた圃場

米づくりの基礎は土づくり

学校卒業後、家業である農業を継ぐことを決めました。30代半ばで三重県指導農業士に認定された時に先輩から水稲には土づくりが一番大切であることをしっかり学び、それからはその教えを基本として、試行錯誤を繰り返し米づくりに向き合ってきました。

もっちりと粘り気のある米が好評

私の圃場は三重県内でも有数の粘土質な土壌で、栽培した米は粘り気の強いのが特徴です。食べてもらう人からは「もち米も混ぜていないか」と聞かれるほど粘りがあるんです。旨味あるもっちりとした米はリピーターも多く人気が高いです。

栽培の工夫

8年前より苗作りでは、プール育苗を導入しました。それまでは散水ノズルで水やりを行っていましたが、プール育苗に変えたことで水やりのムラもできにくく、作業効率も上がり育苗管理の省力化につながりました。また、病害虫対策として2年前からドローンでの農薬散布を開始しています。カメムシ類による斑点米の被害が導入前に比べて減少し、収量・品質も上がりいい米が出来ています。

飼料用米多収で東海農政局長賞を受賞

稲わらのすき込みと堆肥の投入により年々地力をあげ、収量増加につながった取り組みから「令和3年度飼料用米多収日本一コンテスト」で東海農政局長賞を受賞しました。 地域の基準単収と比べ、10アールあたりの差で高い収量を確保できたことが認められ嬉しかったです。

後継者と守る米づくり

毎年稲の生育を見守っていますが、一年一年が土づくりの勉強です。これからも後継者と力を入れて取り組み、もっちりとした美味しい米を作っていきたいです。