JA津安芸

農業の守り人

自作のハウス圃場で「かおり野」栽培

坂 壽さん

津市芸濃町

津市芸濃町の坂 壽さん(49)はイチゴ「かおり野」の栽培をはじめて4年目。
茶畑を整備し、高設ベンチや育苗棚などを自作した10アールのハウス圃場で、美味しいイチゴをめざし日々奮闘している坂さんにお話を伺いました。

家族を守るため就農

県外の大学で機械工学を学び、卒業後は設計関係の就職が内定していましたが、父親が倒れたとの連絡を受け、母親を一人にしておいてはいけないと思い帰郷を決意しました。内定を辞退し、家業の茶農家を受け継ぎましたが、小さい時の手伝いとは違って栽培、収穫、加工を一人で行うには技術も体力もなく大変苦労しました。

茶農家からイチゴ農家へ

最大5ヘクタールまで栽培面積を広げましたが、中山間地域のため機械化が難しく、母親と二人での維持管理に厳しさを感じていたところ、「芸濃イチゴ部会」のメンバーからのすすめや将来長く続けていくことを考えて、2019年にイチゴの栽培に挑戦しようと思いました。 初期投資を抑えるため、学生時代に学んだことを活かして、ハウス内の設備や作業小屋を自作し、散水に必要な井戸水を掘るなど自分で出来ることは積極的に行いました。 真夏はハウス内が高温になるため、涼しくなってから母親と作業し、完成に2ヶ月ほどかかりましたが、自分で作ったハウスは使い勝手も良く満足しています。

周りのサポートがやる気に繋がる

「芸濃イチゴ部会」のメンバーは、イチゴを栽培する前から親身になって相談に乗ってくれたり、栽培を始めてからは作業の様子を見に来てくれます。たくさん失敗もありましたが部会のメンバーをはじめ、津地域農業改良普及センター、JA営農担当者からの指導やアドバイスにより一年目から出荷することができ、自信となりました。今年も最後の出荷まで良質なイチゴをめざします。

お茶でもイチゴでも収穫の喜びが一番

初めてイチゴの花が咲いた時は感動しました。収穫一個目は母親へ、二個目は父親に供え、嬉しさを分かち合いました。母と二人三脚でこれからも頑張り、美味しいイチゴをたくさんの方に届けたいです。